
ある日、ショパンを褒められ気をよくした私は、次の曲はと聞かれたときに
「トルコ行進曲はどうですか?」
先生は、意外な顔をなさいました。
一年半前、体験レッスンを受けたときに、
「モーツァルトは勘弁してください。」
と宣言したからなんですが、一年半で、私の考えは変わりました。
だいたい、最近は有名曲を弾くようになったし、
先生が高い志をもって、忍耐強く、チェルニーで私の手をかえてしまったので、
ショパンのコマカーイ装飾音符だって、トリルだって、きちんと(注 当社比)
弾けるようになったので、これなら古典もいけるなと・・・・。
今日のタイトル「K331」は、トルコ行進曲についている番号。
K331は、トルコ行進曲の前に、実は二曲あって、ソナタなんです。
モーツアルトのソナタは昔から、ベートーヴェンのソナタほど人気がないなと思うのですが、
(無駄な)繰り返しの多さからでしょうか?
トルコ行進曲だけが、アンコールに弾かれる程度です。
先生は、突然、歌い出し、
「ああ、そうねぇ・・・ヘンソウキョクは勉強になるから、一楽章からね。」
なんだか泣きそうな気分になりつつ、(ええ、やりますやります・・・。)と、諦めました。
本当に好きじゃないの、モーツアルトのソナタなんか!
ピアノの個人レッスンで、初心者でもないのに、
ソナタの一部だけ弾こうというのが、ヘンだったかもしれません・・・。
私は、トルコ行進曲の前が、どんなものなのか、全く知りませんでした。
ええ、知ろうともしませんでしたから。
万事、ほどよくやってくれるペライアで、K331を聴いてみると、
先生が歌ったフレーズが穏やかに登場し、
「・・・いいじゃん!!」
モーツアルトに、こんなエレガントなピアノ曲があったなんて・・・。
数日前、天才俳人をひっぱたきましたが、今日は
「いやだぁ~、やるじゃないっ!(バシッ。)」
と、モーツアルトの背中をたたきたいと思います。
