おじさんと親切/ランラン

2017.04.29.Sat.21:25
蘭蘭


「えっ?うそでしょう?!」
と、聞きなおしてしまうような環境にいるお嬢さんが、娘の友達にいる。
いろいろ聞いていくと、少しは安心できたのだけど、
娘には、何かあったら連れてらっしゃい、と言ってある。

日本語の「優しい やさしい」という言葉の中には、
「甘い」ということも若干含まれているような気がするので、こういういい方をするけど、
子供のころ、私にもっとも「親切」だったのは、
親でも祖父母でもなく、隣りに住んでいたおじさん。
今なら、女の子に親切なおじさんなんて、疑われるだけだけど・・・。

おじさんはタクシーの運転手。
今でも顔色の悪いタクシーのおじさんはたくさんいそうだけど、
子供の目にも、明らかによくなかった。
だからっていうわけでもないけど、おじさんの親切は、私には少し受け入れにくかった。
「こっちに、おいで。」と、いつもより調子で言われないと、近づかない感じ。
たぶん、わたしはおじさんのことを理解できなかったのだ。

その場所を引っ越してから、次に会った時、おじさんは仏壇の中にいた。
私は振袖を着たその日、母親に有無を言わさず連れていかれた。
これだけで、おじさんがどれだけ私にとってありがたい人だったか、わかるでしょう?
仏壇の前で、死ぬ前まで私のことを心配していたと、
おばさんに聞かされ、まだ気恥ずかしいような感じがした。

それから、さらに時間が経って、女の子を一人育てて、おじさんの年齢に近くなった今、
その心持ちが少し浮かんできた。
おじさんは、やっと安心できたかな?

写真は「蘭蘭」という名前の八重桜。
上野のパンダにちなんだ名前だそうです。
私はこのパンダを見た、と書けば年齢が分かりそうですね

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