
「ニベア」を初めて買いました。
よほどのことがないと、手や体に何かを塗る習慣が昔からないのと、
よほどの時には、まず「オロナイン」を塗っていたと思うので。
ニベアの缶を開け、中のアルミをめくると、あの香り。
開けたての強い香りで、あることをすぐに思い出しました。
これも初めて思い出すようなこと。
ここに出てきた歌丸さんを見た祖母は、
私が生まれて少ししてから、半身不随になり、
食事は可能でも、お風呂は一人では無理な体になり、
私の記憶として残っているのは、体の半分が固まったその姿。
だから当然、化粧もしなくなったはずだけど、鏡台はなぜか残されており、
脳に焼き付いていたその香りは、私にとっては、まさしくその鏡台のこと。
自分の家にはなかった、めずらしい家具でもある鏡台の引き出しを探るのが大好きで、
使われなくなった化粧品の数々を出して、
「これは何?」
と祖母に聞いてみたり。
その中でもっとも気に入ったのが、「カトレアの香水」。
小さな瓶に、白と紫のカトレアが描かれたラベル。
その絵柄は今でも思い出せるけど、
その香りは、思い出せそうで、思い出せないような、ニベアの香りが邪魔をする。
子供ながら、うっとりし、すごくいい香りだったと思う。
蘭へのあこがれはきっとこのあたりで植え付けられたのだと思う。
鏡台からニベアの香りがしたのは、
色をのせられなくなった祖母の、最後の身だしなみの品だったのかな?
ニベアそのものには、記憶がない。
ニベアは最近のハンドクリームよりも安く、驚くべき値段。
そして結構こってりなクリームで、二度、びっくりしました。
カトレアの香水は、最終的に私のものになって、
10代のおしまいのころまで、持っていた気がするのですが、
そのあとの記憶がありません。残念です。
ニベア、すっごい濃厚ですよね、びっくりしました。
日本で昔から売られているのですが、
実はドイツ生まれで、
鍵コメさんのお話を読んで、あのようにこってりなわけを納得しました。
お隣の国が硬水だとは、思いませんでした。
日本って、しみじみいいところですね!!