2010/11/24

小菊

小菊


小菊を見ると、祖父を思い出す。

なんの前触れもなく祖母が亡くなった時、
病院から車いすでお通夜にのぞんだ祖父は、泣いていた。

その足元には、昼間、私が庭というか畑でつんだ大量の小菊。
二人は、大変、仲が悪かったのに、
それが、祖父に会った最後でもあって、
思い出すのは、たぶん、そのせい。
まるで仲のいい夫婦みたいに、二か月もたたないうちに、祖父もいなくなった。


祖母が半身不随だったので、「主婦」は、祖父。
まったくびっくりするほど、パーフェクトな主夫だった。
例えば、家の中のあらゆるものの、置き場所が、いつもきちんと、
もう病的なほどきちんと決められていた。
ざっくりテキトーな私が、思い出して書くならば、
電話横の鉛筆ですら、いつもぴったり同じ位置、同じ向き、
それこそ1ミリも違わないような、そんな神経の持ち主だった。

そんな、ひやっとするほど潔癖だったことも、菊の香りが記憶から呼んでくれた。

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