
ウィリアム・モリス(外側の濃ピンクは別のバラ)
このバラは、まさにモリス先生の壁紙のような感じで咲きます。
枝を大きく伸ばして、大きめのバラがぽんぽんぽんと、たくさん咲きます。
私のさらなる希望としては、オレンジじゃなくて、
1/4だけそうなってますが、ペールピンクで咲いてほしいです。
この後、わりとすぐに退色が始まり、白っぽいベージュに黄色がにじみます。

ルドゥーテ は、ナポレオンの后ジョゼフィーヌのバラ園のバラたちを、精巧に描き残しました。
写真のない時代に、そのようなものを残したことは極めて貴重で、
画家としてより、植物の世界のほうで知られた人なのかもしれません。
現代ではバラの本に載せられている他に、カップなどの雑貨に、その絵をよく見かけます。

ブラックティ BlackTea
娘とバラ園に行きました。
幼稚園に行く前以来ですから、15年ぶりぐらいでしょうか?
昔のように噴水のところで遊んで、私をヒヤヒヤさせることもなく、
「このバラ、かっこいいねぇ。」
と、言ってます。はいはい、目の付け所はいいですよ。
私は話しながら、撮るという、結構難しいことをやる羽目になりました。
このバラ、実は日本生まれ、しかも、かなり昔の!
切り花としても、お花屋さんで見かけることがあります。
もうちょっと小ぶりで、褪めた色(茶色に近い)をしていることが多いです。
他にない色で、目を惹かれます。

エリザ・ボエル Elisa Boelle
このバラの名前は忘れてしまったので、鉢にさしてるはずのプレートを見に行ったら、
すでにありませんでした。
買ったお店は覚えているので、メールを検索しました。
デジタルは捜し物には便利ですね。
(紙の納品書なんか、すぐに捨てます。)
色も花数も香りも植物としての強さも(私が思うに)パーフェクトな、
このバラの欠点をあえていうと、トゲがびっしりすごくて、近づくと痛いです。
シュロップシャーラス Shropshire Lass/おとうさんおかあさん

この清楚な気配のバラを選んだ理由は、
このバラの「おとうさんおかあさん」がとても好きだったのです。
マダム・バタフライとマダム・ルグラ・サンジェルマン
(Madame Butterfly × Madame Legras de St. Germain)
アメリカ生まれのハイブリットティの「マダム・バタフライ」は
(花屋さんによく売られている)普通のピンクのバラを想像してください。
マダム・ルグラ・サンジェルマンは、白いオールドローズ。
シュロップシャーラスの葉はサンジェルマンさんを強く世襲しているようです。
葉が薄く、丸みがあって、よく茂ります。そして葉が落ちやすい。
ブラインド(伸びた枝先に花をつけない)が多いのも、似てます。
おとーさんもおかーさんも、極めて花弁が多いのですが、それはまったくなくて、
マダム・バタフライが「オフィーリア 」の枝変わり(簡単に、突然変異)なのですが、
そちらのほうを連想させます。
マダム・バタフライの強い香りも、サンジェルマンさんの天国的な香りもなくて、
イングリッシュローズとしては強い特徴がないのが、なんだか珍しい古い品種です。
・・・結果として悪口を書いたような気がしますが、
少女のような可憐なバラの名前は、
「シュロップシャー(イギリス中部の州)の女の子」といった意味です。
ジュード・ジ・オブスキュア Jude the Obscure

トーマス ハーディの「ジュード・ジ・オブスキュア」を読もうと思って、もう何年過ぎたでしょうか。
私は超大作を読むのが苦手です。
例えば「カラマーゾフの兄弟」、「レ ミゼラブル」・・・・とか。
この手の超大作は、必ずって言っていいほど、登場人物でない人が出てきて(ほぼ筆者です)、
なにか主張を始めることが多いのです。
「一体、いつになったら、これは終わるのか・・・」
と、ぶっ飛ばして先のページを探しているうちに、読まなくなります。
ジュード・ジ・オブスキュアも「上・中・下」の超大作だったので、
もう諦めて、ネットであらすじを探しました。
映画化(日陰のふたり)もされているようなので、いろいろなあらすじを読めました。
ころんと丸くて、明るく、色にふさわしい柑橘系の良い香りのバラですが、
これを裏切るような、かなり暗い話でした。
やや退色してきたある日、バサッと音を立てて散るのですが、
それを納得させるものでした。

今年のバラは「ウィリアム・モリス」が絶好調です。
娘は香りがすると言うのですが、私にはわからない・・・。
他のバラなら、わかるのだけど、これはわかりません。
しかも昔のイギリスのカタログで見たとき、ピンクだったような気がするのですが、
写真のように内側がとても濃いオレンジ色になります。
(たぶん、日本の気候のせいでしょう、「イングリッシュローズあるある」ですね。)
最近のカタログには載っていないらしいですが、
よく伸びて、どんどん咲いて、素晴らしいバラです。